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踏切には、車や歩行者を進入させないための遮断機が取り付けられています。
そのため、「遮断機が上がっている状態なら一時停止をする必要はないのでは」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、踏切で一時停止をしなければならないといわれている理由と、違反をしたときの点数や反則金などの罰則について解説します。
なぜ?踏切で一時停止をする理由
踏切は道路の中でも渋滞が起きやすいスポットです。
一時停止をせず渡ったほうが渋滞も起きず車の流れが円滑になるのは確かですが、一時停止をしなければならない確固たる理由があります。
この項目では、その理由について詳しくご説明します。
電車との衝突を防ぐため
万が一にも踏切内で車が立ち往生したら、電車と衝突してしまうかもしれません。
踏切での一時停止は、踏切内や踏切を渡った先に障害物がないか、近くで電車の音が聞こえないか、こちらに向かって走ってくる電車の姿は見えないかなどを確認するための時間です。
電車と衝突すると車が大破するだけでなく、自分の身体や命も危険にさらされます。
もちろん、事故によって電車に遅延が発生したり、電車に乗っている人たちに怪我をさせてしまったりする可能性もあるでしょう。
誰も怪我をしなくても、多額の損害賠償を請求されることがあり、精神的なダメージは計り知れません。
遮断機が壊れている可能性があるため
電車が近づくと遮断機が降り、カンカンと警報機が鳴ります。
しかし、きちんとメンテナンスがされているとはいえどちらも機械です。
機械はどのタイミングで壊れるか誰にも予測することができないため、電車が近くに迫っていても遮断機が上がったままで警報機も作動していない可能性があります。
身を守るためにも機械を100%信じるのではなく、自分の目と耳で安全を確認しましょう。
電車は車以上に急には止まれないため
「車は急には止まれない」とはよくいいますが、電車はさらに急に止まることはできません。
ブレーキをかけてから完全に停止するまでの制動距離は600m以下を標準とすると定められています(新幹線以外)。
そのため、最大600mもブレーキをかけた後でも走ることがあり、いかに急停止が難しいかがわかるでしょう。
例を挙げると、車が時速80kmで走行している状態から急ブレーキを踏んで停止するには58m必要といわれています。
電車の場合だと、同じく時速80kmで走行しているときに急ブレーキをかけて停止できるのは200m~250m先になるそうです。
なぜ停止するまでにこんなに長い距離が必要なのかというと、電車自体が車と比べてはるかに重いというのもありますが、鉄の車輪で鉄のレールの上を走行していることも理由といえます。
少ない摩擦しか生み出せない電車は、急ブレーキをかけてもすぐには停止できないということです。
踏切で一時停止違反をしたときの点数や罰金は?
踏切で一時停止をしなかった場合、「踏切不停止等違反」となり違反点数2点の加点と反則金9,000円の納付が科されます(普通車の場合)。
行政処分のみで刑事処分はありませんが、点数だけでなく反則金の納付も科されるため、比較的重い罰則といえるでしょう。
車の一時停止については以下の記事もぜひご覧ください。
遮断踏切立入り違反にも注意
「遮断踏切立入り違反」は、遮断機が降りている途中に踏切内に入ったり、遮断機が閉じているにもかかわらず踏切内に進んだりした場合に該当する違反です。
また、警報機が作動して音が鳴っている間に踏切内に入ったケースも、この違反で取り締まりをされます。
違反点数は2点、反則金は1万2,000円と、踏切での一時停止違反よりも重い罰則が科されます。
遮断機や警報機がない踏切の場合は?
遮断機や警報機の両方、もしくは片方がない踏切もあります。
この場合でも一時停止は義務付けられており、線路内に入る前に一時停止をしなければなりません。
遮断機や警報機が備え付けられていない踏切は第4種踏切といって、全国に2603箇所あります。
このような踏切では事故が多く発生していますが、遮断機や警報機の取り付けには多額の費用がかかるため、しっかりと対策を進められていないのが現実です。
ちなみに遮断機や警報機のある踏切は第1種踏切といいます。
踏切で一時停止違反にならないためには何秒止まればよい?
結論からお伝えすると、一時停止は何秒停止すればよいのか法律でも定められていません。
しかし一時停止で違反切符を切られないようにするには、3秒停止するのが望ましいとされています。
なぜかというと、3秒あれば「停止した、していない」といった不毛な争いにならないためです。
一時停止違反で取り締まりを受けても、何秒停止しなければならないと明確に決められていないため、「きちんと停止した」という取り締まりを受ける側の意見と、「停止していなかった」という警察側の意見が割れてしまいます。
このようなことにならないためにも、「1、2、3」と秒数を数えて一時停止をするとよいでしょう。
一時停止不要な踏切とは
踏切前では一時停止をしなければ違反点数2点と反則金の納付が科されますが、一時停止をしなくても取り締まりの対象とならない踏切があります。
それは信号機のある踏切で、信号が青であればそのまま踏切内に進んでも道路交通法違反になりません。
なお、廃線などによって電車が通らなくても、踏切がある以上は一時停止の義務は残っています。
ただし、一時停止をしなかったからといって取り締まりの対象となるのかは警察官の判断に委ねられることが多いようです。
悪質なケースを除き、廃線した踏切ではあまり取り締まりをしないのが現実といえるでしょう。
踏切で一時停止義務があるのは日本だけ?
日本は道路交通法という法律により信号機のない踏切での一時停止は義務となっていますが、海外ではその限りではありません。
ただし、韓国だけは日本と同様に踏切での一時停止が義務付けられています。
また、アメリカは一時停止することなくそのまま踏切を通過することができますが、スクールバスやトラックなどは一時停止義務があります。
日本と海外の交通ルールは異なる部分が多いため、海外で車を走行する機会がある場合は日本のルールが通用しないことを覚えておきましょう。
万が一踏切前で一時停止をしてしまったら後ろから追突される可能性があり、過失も一時停止をしてしまったこちら側に問われるかもしれません。
海外に行く前にその国の交通ルールについても調べておくと安心です。
踏切内で車が故障したらどうするのが正解?
突然タイヤがパンクしたり、線路に障害物があって乗り上げてしまったりして車が止まったら、焦らずに車から降りて非常ボタンを押して異常を電車に合図します。
このとき、発炎筒も焚けるとなおよいでしょう。
もし車が動くようであれば、遮断機を車で押して線路内から脱出します。
また、マニュアル車でエンストをしてしまった場合も、焦らずエンジンを再始動させて線路内から出ましょう。
まとめ
- 踏切で一時停止をしないと違反点数2点、反則金9,000円を納めなければならない
- 踏切での一時停止が義務付けられているのは日本と韓国だけ
- 海外で車を走らせるときはその国の交通ルールに従う必要がある