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昨今は若者の車離れが深刻だといわれていますが、その理由は何なのか気になる方もいるのではないでしょうか。
一昔前は、「車=ステータス」といっても過言ではないほど、どのような車に乗っているかでカッコよさが決まったり、女性からモテたりしていました。
この記事では、車離れが加速してしまう考えられる理由と、今後の動向を解説します。今後どうなっていくかが分かれば、自然と解決策も見出せるでしょう。
車離れが起こるとなぜだめなの?
車離れが引き起こすデメリットは、車業界が活性化しないことが挙げられます。
日本には、トヨタや日産、ホンダ、マツダ、スズキなど世界に誇れる自動車メーカーが多くありますが、この自動車産業が活発であることによって、需要と供給のバランスが取れて経済が回ります。
もちろん車業界だけで日本経済を回しているわけではありませんが、大きな収入源のひとつといえるでしょう。
不景気になると車の売れ行きも悪くなり、車離れも相まって業界全体の不振が止まらない状況となっています。
車離れが加速する理由
若者の車離れが叫ばれていますが、何も理由なく、若者たちも車離れをしているわけではありません。
車離れが加速してしまうのには、明確な理由が存在します。
この項目では、なぜ車離れが起こり加速しているのか、その理由をご説明します。
日本の公共交通機関が優秀だから
日本は、海外と比べても電車やバスなどの遅延が少なく、運行時刻どおりに公共交通機関を利用できます。そのため、必ず自分の都合どおりに動かせる車が必須の環境であるとはいえません。
万が一遅延が発生して会社や学校に遅刻したとしても、遅延証明書を発行してもらうことで怒られることを避けやすい環境が、各企業・学校で整っていることも理由として挙げられるでしょう。
車の維持費が高いから
車を所有するために必要となる主な維持費は、以下の通りです。
- 車検費用
- 自動車税(種別割)
- 自動車重量税
- 自賠責保険料
- 任意保険料
- ガソリン代
- メンテナンス費用
- 駐車場代
車を所有すると、税金やガソリン代、車検費用など、さまざまな維持費が必要となります。
車検は基本的に2年に1回受けるため、2年毎に5万円~10万円を用意しなければなりません。修理や整備が必要となれば、さらに高額になるでしょう。
また、自動車税は毎年納めなければならず、初度登録からの経過年数や排気量によって金額は異なりますが、数万円必要です。
上記のような維持費以外にも、ガソリン代やメンテナンス費用、駐車場代といった日常的にかかる維持費も考えなければなりません。
車を所有すると1年で数十万円は維持費としてかかるため、給料が安い傾向にある若者にとっては捻出するのが難しく、結果的に車離れにつながっているといえます。
大金を出して購入するほどの魅力的な車がない
「最近の車は全部同じ顔に見える」「車ごとの違いや特徴が分かりにくい」「乗りたいと思うような車がない」など、大金を出して購入するような魅力を車に感じられないという方が増えています。
自分が欲しいと思わない物に対して、大金を出す方はいませんよね。
車の性能や機能は昔に比べて向上していることは事実ですが、「この車の強みはココ!」「この車には他にはないこんな特徴があって素敵!」「この車のコレは絶対に他車に負けない」など、車種ひとつにフォーカスしてみると、昔の車のほうが魅力を感じられたといえます。
深刻な車離れ……今後の動向をデータからチェック
車離れといっても、データがなければ根拠がないのと一緒です。
そこでこの項目では、警察庁交通局運転免許課が集計した「令和2年度 運転免許統計」のデータを元に、今後の動向を予測していきます。
運転免許保有者数の変化
まず、年別に運転免許保有者数がどのように変化しているのか見ていきましょう。
年 | 人口 | 運転免許保有者数 |
昭和50年 | 1億1,193万9,643人 | 3,348万2,514人 |
昭和55年 | 1億1,700万396人 | 4,300万383人 |
昭和60年 | 1億2,104万8,923人 | 5,234万7,735人 |
平成2年 | 1億2,361万1,167人 | 6,090万8,993人 |
平成12年 | 1億2,692万5,843人 | 7,468万6,752人 |
平成22年 | 1億2,805万7,352人 | 8,101万246人 |
令和元年 | 1億2,616万7,000人 | 8,215万8,428人 |
令和2年 | 1億2,622万6,568人 | 8,198万9,887人 |
人口は、国勢調査のデータを元にしています。
運転免許を保有している人数は年々上昇していますが、人口の増加具合と絡めながら見てみると、保有者数が人口に比例して増えているわけではありません。
直近である令和2年のデータを確認してみると、人口は前年に比べて増えているにもかかわらず、免許保有者数は減っています。
このように、車を所有している人数が減少しているだけではなく、そもそも車の免許を持っていない人が増えていることが分かります。
車の種類別運転免許保有者数の変化
次に、車の種類別の運転免許保有者数がどう変わっているのか、令和元年と令和2年度のデータを参考に見ていきます。
種類 | 令和元年 | 令和2年 |
大型 | 419万9,462人 | 415万9,218人 |
中型 | 6,058万6,582人 | 5,954万8,970人 |
普通 | 318万2,168人 | 429万431人 |
普通二輪 | 13万6,436人 | 13万3,252人 |
普通自動車免許を除く、大型・中型・普通二輪免許すべて保有者数が減っています。
普通自動車の免許保有者数は約110万人増加していますが、上記のデータはあくまでも保有者数であり、新しく免許を取得した人の数を表すものではありません。
次の項目で、新規取得者を見てみましょう。
新規運転免許交付件数の変化
新しく免許証を交付された方がどれくらいいるのか、こちらでご紹介します。
種類 | 令和元年 | 令和2年 |
大型 | 6,643人 | 6,682人 |
中型 | 11万1,652人 | 12万4,800人 |
普通 | 105万1,384人 | 108万1,005人 |
普通二輪 | 2万3,658人 | 2万3,963人 |
新規で免許を取得した人数だけを見ると、どの種類も増加しています。
しかし、令和元年と令和2年の人口を確認すると、令和元年が約1億2,616万人、令和2年が約1億2,622万人で、6万人ほど増えています。
6万人ほど人口は増えているにもかかわらず、普通自動車の新規免許取得件数は3万人の増加にとどまっていることから考えると、確実に車離れは起こっているといえるでしょう。
データを見た結果で今後の動向を推測してみた
日本の人口は、年別に多少の増減はあるものの、増加傾向にあります。
それに伴い運転免許の保有者数も増えていますが、人口の増加具合と比例しているとはいえません。
人口が何十万人と増えても、免許を保有している人数は数万人しか増えないという事態です。
今後の動向を推測すると、この状態が続く、もしくはさらに車離れが加速するでしょう。その理由を以下で箇条書きにしてご説明します。
- さらに公共交通機関が発達する
- リモートワークを導入する企業が多く、通勤の必要がない人が増える
- 免許の返納者数が増える
- 車の高級化
- 税金が上がる可能性がある
- 免許は持っていても、レンタカーで済ませる人が増える
リモートワークは2021年現在でも多くの企業が導入していますが、その便利さや通勤費の支払いをしなくてもよいという経費削減の面から見て、今後さらにたくさんの企業が取り入れることが予測されます。
また、免許証自体は保有していても、車は購入せずに使いたいときだけレンタカーを使用するという方もいます。
さらに、年配の方が免許を返納されたり、車が高額で維持費もかかることから高級化が進み、若者が車に乗らなくなったりと車離れは加速していくでしょう。
車離れに終止符を!解決策はコレだ
車離れは終止符を打たなければ、今後もずっと加速していく一方であることが予測されます。
この項目では、解決策としてできることは何があるのか詳しくご説明します。
「新車=高い」という概念を覆す
新車は高くても当たり前といえばそうなのですが、その概念を覆さなければ若者の車離れは止まらないでしょう。
また、ほとんどの人が、選べるのであれば誰かが乗っていた中古車よりも、新車のほうがよいと感じるのではないでしょうか。
これは若者にもいえることで、「できれば新車に乗りたいけど高いから変えない」「どうせぶつけそうだから安い中古でいいや」と、半ば諦めのような感覚を持っている方が多くいます。
しかし、購入しやすい価格帯の車を作って販売することで、新車に乗れる嬉しさや、新車という特別感を味わいやすくなります。
まずは、「新車=高い」という当たり前のように根付いた概念を覆すことが重要だといえるでしょう。
免税や減税システムがあることをもっと周知する
車を所有していると、自動車税や重量税などの税金を納めなければなりません。
税金は国や市区町村にとって大切な財源であるため、無くすことは不可能です。
しかし、税金が高いということは知っていても、免税や減税の対象になるかもしれないということは知らないという方がいます。
国や市区町村は、「税金を納めてね」ということだけでなく、「車によっては免税や減税が適用されるかもしれないよ」ということをもっと周知したほうがよいでしょう。
そうすれば、税金がネックで車を敬遠していた層からの車離れを阻止できます。
「オモシロイ車」を生産する
人によってどのような車を「オモシロイ車」と感じるかはそれぞれですが、特徴のある魅力的な車を生産することも、車離れの解決策になるのではないでしょうか。
例えば、光岡自動車は見た目に「おもしろさ」を個人的に感じます。
また、マツダのロータリーエンジンや日産の電気自動車システム、ホンダの二輪への飽くなき挑戦などもそれぞれ別の「おもしろさ」を感じられます。
何に対して興味が湧くのかは人によって異なり、一概にはいえないため難しい部分ではありますが、どの車を選んでも同じに感じてしまうことを避けると、車離れの解決の糸口になるでしょう。
まとめ
車離れは、現実に起きています。そして、何か手を打たない限り、今後も加速していくことが予想されます。
車は所有しているだけでお金がかかるため、特に給料が安い傾向にある若者の車離れは深刻です。
税金が免税・減税になるシステムがあることや、お金を出してでも欲しいと思わせる車を作ることが、車離れの解決策のひとつとなるでしょう。
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